費用対効果とは?意味・計算方法・高める方法を解説
公開日
2025.03.26
費用対効果は、広告やマーケティング施策、システム導入、人材採用など、あらゆる投資の成果を適切に評価し、最適な意思決定を行うために欠かせない指標です。
本記事では、費用対効果の基本的な概念から、計算方法、ROIとの違い、費用対効果を高める具体的な方法まで詳しく解説します。
コストの最適化や施策の効果測定に役立つ指標も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
CONTENTS
費用対効果とは
費用対効果(Cost Effectiveness)とは、支出に対して得られる成果の大きさを示す指標です。
企業活動では、広告、マーケティング、人材採用、システム導入など、さまざまな施策の費用対効果を測ることで、限られたリソースを最も効果的に活用できます。
たとえば、100万円を投じた広告キャンペーンが500万円の売上を生み出した場合、費用対効果は高いと判断できます。
一方、100万円を投資して100万円しか売上が得られなかった場合、費用対効果は低いといえます。
費用対効果を意識することで、資金やリソースが限られている中でも最適な意思決定ができるでしょう。
ROI(投資収益率)との違い
ROI(投資収益率)は、投資額に対する利益の割合を測る指標で、計算式は以下のとおりです。
「ROI(%)=(利益 - 投資額)× 100 ÷ 投資額」
一方、費用対効果はかかったコストに対して、どれくらいの成果が得られたのかを表す指標です。
主に短期的な施策の効果を評価する手法として用いられることが多く、長期的な視点での投資判断に用いられるROIとは、少し違いがあります。
コストパフォーマンス(コスパ)との関連性
コストパフォーマンス(コスパ)は、主に消費者視点での価値評価に使われる概念です。
たとえば、「このスマートフォンは価格の割に性能が高い」といった評価は、コスパの視点です。
一方、企業活動では、費用対効果を重視するため、単なるコスパではなく、ROIやROAS(広告費用対効果)などの指標を用いた詳細な分析が求められます。
費用対効果を測る指標と計算方法
費用対効果を測る指標として代表的なものは3つあります。
- ROAS(Return On Advertising Spend)
- CPA(Cost Per Acquisition)
- LTV(Life Time Value)
それぞれ見ていきましょう。
ROAS(Return On Advertising Spend)
ROASは、広告費に対する売上の割合を示し、計算式は下記のとおりです。
「ROAS = 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100(%)」
たとえば、広告費10万円で売上50万円を獲得した場合、ROASは500%です。
ROASが高いほど、広告の費用対効果が良いことを意味します。
CPA(Cost Per Acquisition)
CPAは、1件のコンバージョンにかかるコストを示し、計算式は下記のとおりです。
「CPA = 総広告費 ÷ 獲得したコンバージョン数」
コンバージョンの中身は、応募数や顧客の獲得数など、その時々で異なります。
たとえば、顧客獲得数をコンバージョンとして、広告費100万円で100人の顧客を獲得した場合、CPAは1万円です。
CPAが低いほど、広告の費用対効果が高いことを意味します。
LTV(Life Time Value)
LTVは、顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益を示す指標で、計算式は下記のとおりです。
「LTV = 平均顧客単価 × 収益率 × 購買頻度(年) × 継続期間」
たとえば、下記の顧客の場合には
- 平均顧客単価:20万円
- 収益率:60%
- 購買頻度:年12回
- 継続期間:5年
LTVは720万円です。
LTVが高い顧客を増やすことで、長期的な収益を最大化できます。
費用対効果を高めるための方法
費用対効果を高める方法を4つ紹介します。
- 目標を明確に設定する
- コストの最適化を図る
- 成果を最大化する施策を導入
- 定期的な検証と改善
それぞれ見ていきましょう。
目標を明確に設定する
費用対効果を最大化するためには、まず具体的なKPIを設定することが重要です。
たとえば、「CPAを1万円以下に抑える」「ROASを400%以上にする」といった数値目標を明確にすることで、施策の効果を測定しやすくなります。
コストの最適化を図る
必要なコストと不要なコストを見極めることも重要です。
効果が低い施策は見直し、高い費用対効果を出せる施策があれば、予算の配分を変えましょう。
また、優先順位を明確にし、重要度の低い施策には過剰なリソースをかけないように調整することも重要です。
専門性の高い業務は外注し、自社のリソースをコア業務に集中させることで、より効果的なコスト管理が実現できるでしょう。
成果を最大化する施策を導入
コストを最適化した上で、成果を最大化できる施策を実施することが求められます。
マーケティングではABテストを活用し、広告やランディングページのバリエーションを比較することで、最も効果の高い施策を特定することが重要です。
一方、プロジェクトではリソース配分を最適化し、限られた時間や人員を効率的に活用することで、成果の最大化を目指しましょう。
定期的な検証と改善
ここまで整えることができたら、PDCAサイクルを回して継続的に改善することで、費用対効果を向上させましょう。
PDCAとは、下記4つの頭文字をまとめたものです。
- Plan(計画):目標を設定し、施策を立案
- Do(実行):施策を実施
- Check(評価):データを分析し、効果を検証
- Act(改善):成功した施策を拡大し、効果の低い施策を見直す
まとめ
費用対効果は、企業が限られたリソースを最大限活用するために不可欠な指標です。
ROIやROAS、CPA、LTVといった指標を活用し、コストの最適化や効果的な施策の導入を進めることで、ビジネスの成長を促進させましょう。
費用対効果をもとに体制を整えたら、PDCAサイクルを回しながら、効果の最大化を目指すことが大切です。