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Cookieとは?仕組みや役割についてわかりやすく解説

Webサイトを利用すると、ログイン状態が維持されたり、閲覧履歴に基づいたおすすめが表示されたりすることがあります。

このユーザー体験を実現するために使われているのが「Cookie(クッキー)」です。

Cookieはユーザーの利便性を向上させる一方で、プライバシー保護の観点から規制の対象にもなっています。

本記事では、Cookieの仕組みや役割、プライバシー問題、そして規制について解説します。

CONTENTS

    Cookieとは

    Cookie(クッキー)とは、Webサイトがユーザーのデバイスに保存する小さなデータファイルのことです。

    Cookieによって、ユーザーの情報を一時的または長期的に保存することで、よりスムーズな閲覧体験が実現できます。

    たとえば、ショッピングサイトで商品をカートに追加した際、ページを移動してもカートの内容が維持されているのはCookieに情報が保存されているからです。

    続いて、Cookieの具体的な仕組みを見ていきましょう。

    Cookieの仕組み

    ユーザーがWebページを訪れると、サーバーが必要に応じてCookieを生成し、ブラウザに送信します。

    ブラウザはこのCookieを保存し、次回同じWebサイトを訪れた際にサーバーへ情報を送信します。

    これにより、ユーザーの情報が維持され、再訪問時の利便性が向上するという仕組みです。

    たとえば、ログイン情報をCookieに保存しておけば、次回訪問時に再ログインの手間を省くことができます。

    202502_Cookie_画像_Cookieとは?

    Cookieの種類

    Cookieには、ファーストパーティCookieとサードパーティCookieの2種類があります。

    ファーストパーティCookie

    ファーストパーティCookieとは、ユーザーが訪問したWebサイトのドメインが発行するCookieのことです。

    主にはサイト内の利便性向上(ログイン情報の保存、設定の維持)に使用されます。

    (例: Amazonで「最近閲覧した商品」が表示される)

    サードパーティCookie

    サードパーティCookieは、訪問したWebサイト以外の第三者が発行するCookieのことです。

    主には広告配信、トラッキング、ユーザー分析に使用されます。

    (例: GoogleやFacebookが取得する広告用データ)

    Cookieの役割

    Cookieの主な役割を3つ紹介します。

    1. セッション管理

      セッション管理には、ログイン状態の維持やショッピングカートの内容保存などが該当します。
      前述のようにWebサイトでは、ユーザーがログイン状態を維持できるようにするためにCookieが使用されています。
      また、ショッピングカートの内容を保持する機能もあり、ユーザーが商品を追加しても、ページを移動しても、カートの情報が失われないようになっています。
      さらに、Webフォームに入力した情報が保存されているという状態も、Cookieが利用されているからです。

    2. パーソナライズ

      Cookieは、ユーザーの好みに応じたコンテンツを提供するためにも活用されています。
      たとえばニュースサイトでは、Cookieを利用して過去に閲覧した記事のカテゴリを記録しておき、次回訪問時にユーザーが興味を持ちそうな関連記事を表示しています。
      また、地域・言語設定を毎回することなく快適に閲覧できるのも、ユーザーがWebサイトを訪れた際にCookieが保存されているからです。

    3. トラッキング

      ユーザーのWebサイト内での行動を記録し、マーケティングや分析に活用することもCookieの役割の1つです。
      たとえば、訪問者がどのページを閲覧したかを分析することで、Webサイトの改善や利便性向上に役立てることができます。
      また、1度サイトに訪問歴があるユーザーに対して広告を配信する、追跡型広告(リターゲティング広告)にもCookieが使用されています。
      Cookieを利用してデータを収集することで、より効果的なマーケティング戦略を実現できるでしょう。

    202502_Cookie_画像_Cookieが持つ3つの役割

    Cookieに関するプライバシー問題

    Cookieは便利な技術ですが、プライバシーの観点から問題視されることもあります。

    特にサードパーティCookieの使用には慎重な対応が求められています。

    サードパーティCookieの問題点や、近年の規制強化について見ていきましょう。

    サードパーティCookieの問題点

    サードパーティCookieとは、訪問したWebサイトとは異なる第三者ドメインが発行するCookieです。

    たとえば、サイトAを訪れた時にはそのサイトからCookie(ファーストパーティCookie)が発行されます。

    しかし、サイトA内に広告タグやトラッキングタグが設置されていると、そのタグを配信しているサーバーからもCookie(サードパーティCookie)が発行されます。

    第三者にもCookie情報が渡るため、自分が意図していない相手にも行動を追跡されてしまうのです。

    行動ターゲティング広告の過剰なパーソナライズ化は、その代表例でしょう。

    これらがプライバシー侵害のリスクとして指摘されており、多くのブラウザではサードパーティCookieの制限や廃止が進められています。

    規制の強化

    ユーザーのプライバシーを保護するため、各国でCookieの利用に関する規制が強化されています。

    • GDPR(一般データ保護規則):欧州連合(EU)が定めた規則で、ユーザーの同意がなければCookieを利用できないことなどを定めている。
    • CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法):米国カリフォルニア州におけるプライバシー保護法で、ユーザーにCookie収集の拒否権を付与することなどを定めている。

    これらの規制により、Webサイト運営者はCookieの利用を慎重に管理し、適切な対応が求められています。

    まとめ

    CookieはWebサイトの利便性を高める重要な技術であり、ユーザーのログイン情報の保持やパーソナライズされたユーザー体験の提供など、多くの機能を実現しています。

    しかし、その一方で、プライバシーの問題も指摘されており、特にサードパーティCookieの使用が問題視されています。

    各国での規制強化により、Webサイト運営者はCookieの利用に関する透明性を高め、ユーザーの同意を得る仕組みを整えることが必要です。

    今後は、ユーザーの利便性とプライバシー保護のバランスを考えた、新たな対策が重要となるでしょう。