Webマーケティングに取り組む中で
「広告費をかけてLP(ランディングページ)を運用しても、成果が上がらない」
という課題に直面している企業は少なくありません。このような問題を解決する上で重要な考え方に「LPO」と呼ばれるものがあります。
そこで本記事では、LPOの基本的な意味や、すぐに使える9つの具体的な施策などについて詳しく解説します。
LPOとは「Landing Page Optimization」の略称で、LPのパフォーマンスを最適化し、ユーザーをコンバージョンまで導くための施策です。
具体的には、広告や検索エンジンからLPに流入したユーザーがアクションを起こす確率を高めるため、ページのデザインやコンテンツ・構成を改善していくことを指します。
LPOでは、単に見た目の改善だけでなく、データに基づいて訪問者の行動を深く理解した上で取り組むことが重要です。
LPOと合わせてよく使われる言葉に、EFOというものがあります。EFOとは「Entry Form Optimization」の略称でフォームの入力プロセスを最適化する施策のことです。
Webマーケティング全般に関わる施策で、LPOにも含まれる取り組みです。
具体的には、フォームの項目数を増減させたり、入力しやすいデザインにしたりすることで、コンバージョン率の向上を目指します。
LP全体を最適化する中で、フォーム改善は非常に重要な要素です。
LPにはフォーム入力をコンバージョンと設定するのが一般的なため、EFOが直接的に成果を生むことも多く、EFOに注力することで劇的に成果が上がることも珍しくありません。
LPOと似た言葉に、SEOというものもあります。SEOとは「Search Engine Optimization」の略称で、検索結果での順位を上げ、サイトへの訪問者数を増やす施策です。
LPOはLPの訪問者をコンバージョンに導くための施策であるため、SEOは「いかに多くの人をサイトに誘導するか」を重視し、LPOは「いかにその人たちに行動を起こさせるか」を重視する部分に違いがあります。
また、LPの運用にはリスティング広告などのWeb広告を活用することが多いため、LPOとSEOを同時に考えるという場面はあまりありません。
具体的なLPOの施策例を9つ紹介します。
LPでは、ページを開いた瞬間、訪問者に第一印象を与えるファーストビューが最も重要です。
ファーストビューで興味を持ってもらえなければ、ユーザーはすぐに離脱してしまいます。
そのため、わかりやすい見出しと行動を促すボタンを配置し、訪問者を次のアクションに誘導することが重要です。
たとえば、商品画像と一緒に「今すぐ購入」などのボタンを目立つ位置に配置することで、直感的に次のステップを促すことができます。
ページの読み込みが遅いほど、離脱率が上昇することがGoogleの調査でもわかっているため、速度の改善は非常に重要です。
読み込み時間が1秒から10秒に長くなると、モバイルからの訪問者が直帰する確率が123%も高まることがわかっています。(参考:Google 「Find out how you stack up to new industry benchmarks for mobile page speed」)
「PageSpeed Insights」などのツールを使って、読み込み速度を最適化しましょう。具体的には、画像の圧縮や不要なスクリプトの削除、キャッシュの有効活用などが効果的です。
ユーザーがどの情報に興味を持ち、どのタイミングで行動を起こすのかをヒートマップツールで分析し、コンテンツの順番を入れることも効果的です。
たとえば、重要な商品の紹介をページの上部に移動させたり、ユーザーがスクロールする際に見やすい場所に口コミやレビューを配置するなどの施策が考えられます。
権威性がある第三者の評価や専門的なコンテンツを追加して、訪問者に安心感を与え、離脱率を減らし、コンバージョンを増加させましょう。
製品の評価を受けた記事やユーザーの声をページに追加することで、信頼性が向上し、購買意欲を高めることが期待できます。
ページが情報過多であると、訪問者は迷ってしまい、行動を起こしづらくなってしまいます。ヒートマップなどのツールを活用し、ユーザーに見られていない情報などを削除することで、シンプルかつ効果的なページ構成を目指しましょう。
大幅にスクロールしなくても必要な情報にアクセスできるようにするなど、ユーザーの使いやすさを高めることが大切です。
CTA(Call to Action)ボタンは、ユーザーに次のアクションを促す重要な要素のため、色や形・配置・文言にこだわってクリック率を改善しましょう。
たとえば、「今すぐ申し込む」や「無料体験はこちら」といった明確な指示を与えることや、寒色と暖色を使い分けボタンを目立たせるといった施策が効果的です。
EFOの項目でも述べたように、フォームの改善も効果的です。
ユーザーが情報を入力する際の負担を軽減するために、フォームの項目を必要最低限に減らしましょう。
特にモバイルでのフォーム入力はユーザーにとって負担が大きいため、簡素化が重要です。
モバイルファーストの設計を意識することで、フォームの完了率の向上が期待できます。
Web接客ツール(チャットボットやポップアップなど)は、訪問者の疑問や不安をリアルタイムで解消するのに役立ちます。
訪問者が何らかの問題に直面して離脱する前にサポートを提供することで、コンバージョンの取りこぼしを防げるでしょう。
一度にすべてを変更するのではなく、異なるバージョンを少しずつテストする、ABテストという手法も効果的です。
ABテストは、異なるデザインやCTA・コンテンツの配置などを比較し、最も効果的な要素を見つけるための方法です。
異なるボタンの色や文言でテストを行い、どちらが高いコンバージョン率を出すかを確認し、最適な要素を1つずつ見極めていきましょう。
LPOの効率的な進め方を紹介します。
コンバージョン率やクリック率・滞在時間など、具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。
KPIを設定することで、何を改善すべきかを明確にすることができます。
広告を活用し、ターゲットユーザーを正確にLPに誘導する施策を実施しましょう。
ターゲティングを適切に行うことで、アクセス数・コンバージョン率の向上が期待できます。
アクセス解析ツールを使い、LPのパフォーマンスを評価しましょう。
どの要素がパフォーマンスを阻害しているのかを特定し、改善するためのデータを集めます。
データに基づいて改善ポイントを見つけ、具体的な施策を立てましょう。
たとえば、直帰率が高い場合「ファーストビューを改善する必要がある」など、仮説を立てることが重要です。
改善施策を迅速に実行し、効果を検証します。
この段階ではABテストなどを行い、どの施策が最も効果的かを確認することも重要です。
一度の改善で終わらせず、PDCAサイクルを回して、継続的に最適化を進めましょう。
何度も改善を重ねることで、最適なLPができあがっていきます。
最後にLPOに役立つツールを3つ紹介します。
それぞれのツールの特徴を見ていきましょう。
Google Analyticsは、訪問者の行動やウェブサイトのパフォーマンスを詳細に把握できる強力なツールです。
訪問者のデバイスや滞在時間・流入元なども分析できるため、LPOの改善点を見つけるための基本的なデータはすべて収集可能です。
無料で利用できるので、LPOを行う際には必ず活用しましょう。
ヒートマップツールは、ユーザーがページ内でどの部分をクリックしているか、どこに注目しているかを視覚的に示してくれるツールです。
クリックやスクロールのパターンを色分けして表示するため、訪問者がどのコンテンツに興味を持っているかを直感的に把握できます。
ヒートマップのデータをもとにすることで、効果的なコンテンツの配置や重要な情報の位置を調整し、ユーザーの行動を促すページが作成できるでしょう。
LPOは、LPのコンバージョン率を最大化するための強力な施策です。
適切なKPIを設定し、データに基づいてページを最適化できれば、劇的な改善も期待できます。
また継続的にPDCAサイクルを回し、常にページを改善していくことで、最終的には投資対効果(ROI)を大幅に向上させることも可能です。
一度限りのLPO施策ではなく、継続的改善を重ね、LPからの成果を最大化させましょう。